10月ももう終わり。またひとつ歳を重ね、この1年だけでも、考え方や生活の仕方、装いへの意識が大きく変化してきたことを改めて感じています。
とはいえ、これからどんどん寒くなるし、洋服を買い足さなくてはいけません。しかし、いざ買い物に行こうと思ってみても、今の私にふさわしい服ってどこに売っているのだろうかと、足が止まります。
これまで着ていた服にも、体型やサイズとは別の窮屈さを感じるようになって、先日、長く着てきた洋服をまとめ、リサイクルショップに持ち込み、ワードローブを見直しました。もちろん、全ての洋服を手放したわけではないけれど、1週間のコーディネートを組むにも心もとない量まで手持ちの服を減らして、なんだかデトックスしたようなスッキリした気分になりました。(実用的には最悪だけどね)
これまではミニマルなスタイルを好んできたけれど、もう少しアクセントのあるものを着てみてもいいかもしれない。今まで似合わないと思っていた色も、今なら似合うのかもしれない。まだ決まっていないこれからの自分の装いを想像すると、日々の洗濯が追いつかないことには困りながらも、なんだかワクワクしてきます。
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幼い頃の私は大のラジオっ子でした。我が家ではテレビは1日1番組しか見てはいけなかったし、手持ちのCDは、何度再生しても同じ内容。そんな中でも、次から次へと違う声や話題、音楽が無限に流れてくるラジオは、自分の知らない世界へ連れていってくれる、私にとって一番魅力的なメディアでした。
ラジオの大好きなところは、なんと言っても飛ばせないところ。好きな番組に挟まる興味のないCMや、パワープレイで1ヶ月のうちに何度も流れる曲。好きなコーナーを待ちながら仕方なく耳を傾けていたはずなのに、いつの間にか口ずさんでいたり、その曲が流れるのを楽しみにしていたりする。
自分の「好き」より先に、ラジオが自分の興味の外に連れて行ってくれて、そこでぼうっとしているうちに「好き」が生まれている。そんな順番で、私はいくつものお気に入りに出会ってきました。
すぐには好きにならないものも、よくわからないものも、一緒に流れてくる。自分の好みを元に判断するより先に、誰かが選んだものに触れる時間があった。そのことも含めて、ラジオは私の物の見方を広げてくれていたのだと思います。
スマートフォンやSNSの普及によって、何をするにも、欲しいものや好きなものへと一直線に辿り着けることが当たり前になりつつあります。たとえばニットを検索すると、そのあとも似たようなニットの広告が並ぶ。好きなアーティストの映像を見れば、関連動画にも同じアーティストが続く。思い描いているものに最短距離で辿り着けるのはたしかに便利だけれど、世の中には、まだ出会っていないから、「好き」「欲しい」とさえ思いつかないものも、もっとたくさんあるはずなのです。
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私がはじめてはっきりと「おしゃれをしたい」と思ったのは小学校高学年の頃。おしゃれしたい気持ちはあるのに、欲しい服がどこに売っているのかわからなくて、ファッションに詳しいわけでもない親に相談してアメ横に連れていってもらったことがありました。(なぜ?)アメ横でひたすら好みの洋服を探したものの、欲しいと思えるものが1着も見つからず、ふてくされ顔でトボトボ帰ったあの日の苦々しい気持ちを思い出します。
あの頃に比べれば、欲しいものがどこにあるかを探し出すことは、ずっと簡単になりました。だけど、今の私が知りたいのは、欲しい服が「どこにあるか」だけではありません。これまで好んできたものなら、検索する言葉も思いつく。でも、着たことのない形や、知らない色の組み合わせ、自分には似合わないと思い込んできた服を、私はどんな言葉で探せばいいのでしょうか。
そんなときにも、おすすめや広告は「あなたへのおすすめ」を差し出してくれます。その中に気に入るものが見つかれば、わざわざ外を探す必要は感じないかもしれません。けれど、欲しいものが見つかることと、自分の関心が広がることは、同じじゃない。「あなたに合うもの」が並ぶ画面の向こうで、何が候補から外れているのかは見えない。これまでの検索や閲覧などをもとに並べられる「あなたへのおすすめ」を眺めて、その「あなた」とは、一体いつの私のことなのだろうと思います。
時代も、暮らしも、自分の気持ちも変わっていきます。似合うと思う服も、心地よいと感じる装いも、いつの間にか移ろっていくもの。今までの服を手放した私が探しているのが、過去の好みにぴったり合うものとも限りません。
自分の好みや立場がわかっていることは選ぶときの支えになるけれど、「私はこういう人」という理解が固まりすぎると、そこから外れるものを「自分には関係のないもの」として見向きもせず、無関係の箱に入れてしまう時があるように思います。
「自分に合うかどうか」を素早く判断することが当たり前になった今、私たちは、世の中で起きていることに対しても、同じような判断を持ち込んでしまうことはないでしょうか。たとえば、LINEに直接送られてくるニュースのハイライトや、タイムラインに繰り返し流れてくる話題。毎日いろいろな情報に触れていると、それだけで、今の世の中を知っているような気持ちになってしまう。
けれど、自分から探してみると、画面には流れてこなかった出来事があちこちで起きている。私が見ていたものは、世の中のほんの一部の出来事だったのだと気づきます。知らなければ、関心を持つきっかけも、その出来事の中で暮らす誰かを想像するきっかけもありません。「私の関心に入っていない」ことと、「私に関係がない」ことは、同じではないはずです。
まるで最適な情報のような顔をして、「おすすめ」が次々に手元に届くこの時代に、自分とは異なる立場の人の言葉は、一体どこから入ってくるのでしょうか。
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ラジオに耳を傾けていた頃、私は、次に何が流れてくるのかを知りませんでした。けれど、自分で選んだわけではないものに付き合っているうちに、自分の「好き」が生まれたり、知らない世界への興味が湧いたりした。その出会いの順番を、これからもずっと大切にし続けたいと思います。
もちろん、何もかも無条件に受け入れたいわけではありません。自分を守るために距離を置くことも必要です。それでも、自分の立場を持つことと、その地点から別の景色を見に行くことは、両立できるはずです。
もしかしたら、似合わないと思っていた色を好きになるかもしれない。あの人の言葉には、私の知らない背景があるのかもしれない。今の私の見方も、変わるのかもしれない。直線的な世の中でも、自分では選ばなかったものや、すぐには理解できない誰かと出会う余地があってほしい。
私たちはいつからだって何かに出会い、知り、そこから変わっていくことができるのだから。
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through my window
⭐︎ついこないだ、SEASONで試着を勧められたSulaのワイドパンツ。ぴったりジャストサイズで、ウィッシュリスト入り!
⭐︎2週間ほど前に参加したZINEイベントに合わせて5日間で作ったZINE『マイ・ファースト・キャミソール』。「自分のからだで装う」ということから、生きること、そして望むことをみつめた短編エッセイ集です。MaruちゃんとRikoちゃんもゲットしてくれました♡
⭐︎つい最近迎えた誕生日の当日、MaruちゃんとMiriがNicolasで誕生日のお祝いをしてくれました。誕生日だからといって、未来の話をしたり、振り返りをしたり、何か抱負を発表したわけじゃないけれど、こうした特別な日に一緒に時間を過ごせる友人がいてくれることに、幸せを感じました。
⭐︎お散歩中、何気なくディグっていた時に見つけたアメリカのシンガーソングライター、Jake ShermanのJust The Way You Areのカバー。ジャズチックなアレンジに、ボコーダーのボーカルが小気味良くて可愛い。
言葉は、使い倒されると本来の意味が薄まっていくけれど、自分がいつも柔らかな自分でい続けられることを大切に、「ありのまま❄️」で、この1年を過ごしていきたいです。
社会も世界もどんどんやばくなっていっているように見えるけれど、自分の中に湧いてくる言葉を愛して、大切な人たちと共に生きているこの時代を愛せるように、毎日自分なりに暮らし続けていこうと思います。
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