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Top: Susan Cianciolo
Belt: everyone’s mother
Pants: sula
Earring: MIFIG
BGM: MURRAY STREET
昨日来てくださったお客様が、はじめてこの Seasonvoice Studio で購入して大切にしていた everyone’s motherのbuoy belt が、沢山愛用しているうちに紐がすれてちぎれてしまって、修理してもまた壊れるのが怖くてもう使えないと、悲しい顔になっていました。その時からずっと考えていて、今日は、Susan Cianciolo のこのトップスを着てきました。
このトップスは上京1年目に購入したSusan Ciancioloのアートピース。私は今やスーザンのコレクターみたいですが、これははじめて購入したものなので思い入れしかありません。アートピースだけど日常的に愛用していて、ただ散歩にいく時でも、なんでもなく出勤する時でも、雑誌の取材とか、ここ1番の大行事でも、このトップスを着ていくことがよくありました。今はもう胸元についていたチャームがいくつかなくなってしまったし、スーザンが作品に使うのはアップサイクルの生地なので、もともと古い生地がさらに劣化して、首の後ろのところやサイドとか、いろんなところが裂けてしまっています。
SEASONには、自然由来の繊維で作られたアイテムや、お古の生地を使って、人の手で作られたアイテムが沢山並んでいます。それらは化学繊維や新品の生地を使って、機械で作られたものよりも、もっともろい場合が多いです。お部屋に飾る花たちも、最初にお花屋さんで見つけた時の姿からだんだん色や形が変わって、数日から数ヶ月経てば枯れてカピカピになって枝から落っこちているように、ここに並んでいるアイテムも永遠に変わらない美しさはもちあわせていなく、もっとはかなくて、日々を一緒に重ねていけばいくほど、形や色が変わっていってしまうものばかりだと思います。
私はこのピンクのトップスのチャームがなくなっても、ありえないくらい裂けていても、私はそれでも可愛いと思うし、今日着たことでまた裂けるかもしれないけど、裂けて着れなくなるまでは着たいと思っているから、着てきました。もしもいつか、服の形をしていないくらい裂けてしまったら、もう着ない・着れないかもしれないけど、タペストリーみたいに壁に飾ったり、額装してみるかもしれません。
でも自分がお店として、「エシカル」とかを掲げながら、もろいものを提案していることがあることに、矛盾を感じてしまうことがかなりよくあります。
たとえば新品の化学繊維で作られた強くて丈夫な服を本当に長く着れば、それが一番いいのではないか?でもそこには、どんなオルタナティブがあるのだろうか。。自分は洋服屋を営業していて、なにが役に立っているんだろうか。自分の中の正解が全くわからないようになったりします。そんなこんなでBlogを書こうとしていたらみのりちゃんがやってきて、ちょっとこれを話してみたら、少し前向きなアイデアが浮かんできたりして、考え続けて何か行動してみていくしかないなと思ったり。。未熟な店すぎて、本当に考えることが多過ぎます。
イヴォン・シュイナードが「責任を持って作ったということは付加価値の一つに過ぎず、お客様が買う理由としては十分ではない」と語っていたように、「ハンドメイドで一つ一つ心を込めて作られた。」そういうのは作り手やお店のエゴにすぎず、それを買う人に届けられるのは具体的にどんなメリットなのか、それを追求していきたいということも今年になってからずっと考えています。確実に言えそうなことは、今年は「お直し」に関係するイベントやお店からの提案を充実させようと思っていることです。
結局答えになっていないBlogで申し訳ないのですが、壊れていくものの愛し方は、SEASONに集まっているようなクリエイションを今後も紹介していくにあたって、私はこれからもっともっと深く考えていかなければいけないトピックだと思います。
「壊れていくものの愛し方」について、どんなにスローメイドでも、自然由来でも、お古の生地でも、アートコレクターの気合い100%みたいな提案ではなく、具体的な提案を導き出したいです。ご意見も随時お待ちしております!

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